ファイル表示のエラーにはさまざまな原因が考えられますが、まずは下記を切り分けることで、おおまかな原因箇所を推測することができます。
- エラーになるのが特定の1つのファイルのみである
- エラーになるファイルが複数あるが、特定のフォーマットに偏っている
- エラーになるファイルが複数あるがすべてではなく、かつそのフォーマットは様々である
- すべてのファイルがエラーになる(特定のクライアントマシンで)
- すべてのファイルがエラーになる(すべてのクライアントマシンで)
- 法則性のないランダムなエラー
上記パターン毎に、推測される原因と切り分け方法を説明します。
1.エラーになるのが特定の1つのファイルのみ
①ビューア表示のタイムアウトに達している
②該当ファイルのキャッシュに問題がある
③変換処理のタイムアウトに達している
④ファイル内の何かに起因して変換ができない
まずは、10-20分程度時間をおいて、再度同じドキュメントにアクセスしてみます。
これで表示が成功する場合は、①に該当していたと考えられます。
たとえば、変換に10分程度を要する容量の大きいファイルを初期表示する際、表示時のタイムアウトが「7分」となっていたら、変換完了前に表示タイムアウトに達してしまいます。
表示タイムアウトでエラーになったあとも変換処理自体は続いているため、次にアクセスしたタイミングまでに変換処理が完了していれば、ビューア表示が成功します。
上記では解消しない場合、ファイルのDocIDやバージョンを変更してアクセスしてみます。
これでエラーが解消された場合は、②の可能性が高いです。
このケースで考えられる原因はいくつかあります。
1つは、「キャッシュデータを手動で編集・削除した」「正しい手順でサーバーを停止させなかった」ことによってキャッシュ情報が破損した可能性、
もう1つは、変換対象の原本ドキュメントをBravaサーバーがキャッシュフォルダにコピーした際に、何等かの理由でコピーした原本ファイルが読み取れない状態になった(一時的なコピーの失敗など)可能性が考えられます。
DocIDやバージョンを変更すると、該当ファイルのキャッシュが再作成されるためエラーが解消されます。
上記では解消せず、対象のファイルのサイズが大きい/ページサイズが多い場合③が考えられます。この場合はJobProcessorの変換タイムアウト値を調整する必要があります。
詳しくは
こちらをご覧ください。
上記のいずれでも解消しない場合は、④の可能性が高いです。
テクニカルサポートに原本ファイルを提供の上調査依頼してください。
2.エラーになるファイルが複数あるが、特定のフォーマットに偏っている
考えられる原因
①外部アプリケーション変換時に、該当のアプリケーションが使用できない状態にある
②変換スレッドの設定に問題がある
対象のファイルがOfficeなど外部アプリケーションで変換されるものであれば、①の可能性が高いです。
確認方法としては、JobProcessor上のアプリケーションでエラーが出ている原本ファイルを開きます。
開いた際にアプリケーション上にエラーや警告のダイアログが出ていないかを確認し、出ている場合は原因を取り除いてダイアログが表示されないようにしてください。
エラーや警告のダイアログが出ていると、アプリケーションを使用した仮想印刷出力が行えないため、JobProcessorの処理を続行できません。
報告で多いものは、下記のようなケースです:
・Officeアプリで前回開いたファイルの破損を修復したことを示す警告が出ている
・ファイル内の外部リンクが参照できないことを示す警告が出ている
原因を取り除いた後、再度同じファイルをBravaでアクセスすると変換できるようになります。
外部アプリケーションを使用しない、Bravaの変換ドライバー(Loader)で変換するタイプのファイルで発生している場合は、②の可能性が考えられます。
JobProcessor.config内のスレッド設定を確認してください。
たとえば、thread.pdfの設定値が0になっていると、JobProcessorはPDFファイルの変換ジョブを取得しに行かないため、ファイルは変換されずエラーになります。
この場合は、設定値を1以上にしてJobProcessorサービスを再起動してください。
3.エラーになるファイルが複数あるがすべてではなく、かつそのフォーマットは様々である
このケースでは、すでに変換済の(キャッシュが存在する)ファイルのみ正しく表示され、キャッシュが存在しないファイルの変換処理にて何等かの問題が発生していると考えられます。
考えられる原因
①変換処理を行うJobProcessorのプロセスがダウンしている
②BravaサーバーとJobProcessor間の通信が行えない状態になっている
③BravaサーバーやJobProcessorからキャッシュフォルダにアクセスできない
まずは、JobProcessorが停止していないかを確認してください。
サービスのステータスが「実行中」であっても、処理プロセスがダウンしていることも考えられるので、JobProcessorサービスの再起動を行ってください。
JobProcessorサービス再起動で復旧した場合は①の状況が発生していたと考えられます。
JobProcessorサービスを再起動しても改善しない場合で、BravaサーバーとJobProcessorが別マシンに配置されている場合は、②の状況を疑ってください。
JobProcessorのマシンから、Bravaサーバーの8080ポートへの通信ができているかを確認してください。
上記のいずれにも当てはまらない場合、③に該当している可能性があります。
キャッシュフォルダの場所を変更した場合などに起こりがちです。
キャッシュフォルダが共有化され、Tomcatサービス、JobProcessorサービスの起動アカウントに読み書き権限が与えられているかを確認してください。
4.すべてのファイルがエラーになる(特定のクライアントマシンで)
1台のクライアントマシンのみで発生するエラーであれば、当該クライアントマシン側の問題である可能性が考えられます。
この場合はエラーのタイプが「ビューア上のエラー」か、「ビューア起動前のエラー」かを確認します。
ActiveXビューアの場合は、ビューアのメニューや枠が表示されているかどうかを確認してください。
ActiveXビューアの枠自体表示されていない場合は、ビューア自体が正しくインストールされていない、あるいは起動できていない可能性があります。
ActiveXビューアのトラブルシューティング記事に該当するものがないかを確認してください。
ビューア枠は表示されていて、ダイアログ上にエラーが表示される場合は、該当マシンとBravaサーバー間の通信に問題があることが考えられます。
全てではないが複数台のクライアントマシンでビューア上のエラーが発生する場合は、クライアントマシンが属しているネットワークに原因がある可能性が考えられます。
Bravaサーバーとネットワーク間の通信に問題がないかを確認してください。
5.すべてのクライアントマシンですべてのファイルがエラーになる
Bravaサーバーで重大な障害が起きていることが考えられます。
Bravaサーバーが正しく起動されていてもこのような状態が発生している場合、Javaヒープメモリの障害が考えられます。
6.ファイル種別やクライアントマシンに法則性のないランダムなエラー
ファイル種別やクライアントマシンに関係なくランダムにエラーが発生する、かつ必ず再現するわけではない場合、考えられる原因は以下になります:
①サードパーティアプリケーションの干渉
②JobProcessorマシンの高負荷
①の過去事例としては、以下のようなものがあります:
- ウィルススキャンソフトの定義更新後から、特定の時間帯にBrava サーバーとJobProcessorが通信できなくなった
- ログ収集ツールが稼働している時間帯に、エラーが発生するようになった
Bravaの関連フォルダをスキャンするタイプのアプリケーションについては、インストールガイドで指示されている通りのスキャン除外を行う等の対処をしてください。
また、通信ポートのバッティングが発生しないようにしてください。
②に関しては、JobProcessorの変換処理能力を大幅に上回る量の変換ジョブが投入されてしまうことによって発生します。
このケースで多いのは、これまで蓄積していたキャッシュをすべて消したり、キャッシュの最大サイズ設定を既存の値より大幅に小さくした場合です。
このケースについては時間経過とともにキャッシュヒット率が上がるのを待つしかありません。
特定のファイルフォーマットの変換処理が短時間に集中した場合に発生しますが、この場合は、
変換スレッドのチューニングで改善できる場合があります。